決算短信を分析する
決算が出たその日に、短信のPDFを開いて数字を拾う。売上と利益は伸びているか、通期予想は変わったか、配当はどうか。慣れていても15分はかかりますし、慣れていないと何から見ればいいのか分かりません。短信のPDFを渡せば、要点だけまとめて返ってきます。
プロンプト
確実なのは、決算短信のPDFをそのまま添付することです。企業のホームページにある正規のURLを貼る方法でも読み取れますが、AIによっては失敗します。URLを貼る場合は、次の順で試してください。
なぜこう聞くのか
最初に「一行のタイトル」を書かせる
短信は数字の羅列です。先に一行で要約させると、AIはその結論に向けて説明を組み立てるので、読みやすくなります。こちらも、その一行を見るだけで、良い決算か悪い決算かの当たりが付きます。
配当と通期予想の「修正の有無」を聞く
株価が動く理由の多くは、決算の数字そのものより、予想の修正です。増配や上方修正があれば買われ、下方修正があれば売られます。ここを名指しで聞かないと、AIは本文の要約で終わらせてしまいます。
良かった点と悪かった点を、両方出させる
何も言わないと、AIは良い面を並べて終わりがちです。「ネガティブ・サプライズ」と明示すると、懸念点を探しにいきます。決算が良く見えるときほど、ここを読む価値があります。
AIの回答例
三菱商事 2026年3月期決算:一過性利益の剥落で前期比減益となるも、次期は1.1兆円へのV字回復と大幅増配を予想
三菱商事はIFRS(国際財務報告基準)を採用しているため、売上高は「収益」、経常利益に近い指標は「税引前利益」、純利益は「親会社の所有者に帰属する当期利益」として発表されています。
| 指標 | 金額 | 前期比 |
|---|---|---|
| 収益(売上高に相当) | 18兆9,159億円 | +1.6% |
| 税引前利益 | 1兆9,609億円 | −21.3% |
| 当期純利益 | 8,004億円 | −15.8% |
増減の要因と、今後の見通し
- 減益の理由は本業の悪化ではない/前年にあった特別な利益がなくなったこと(一過性利益の反動)が大きい。前期に計上されたローソンの持分法適用会社化に伴う再評価益や、豪州の原料炭事業の売却益などが剥落した。一方で市況の上昇により、収益(売上高)自体は微増を確保している。
- 来期は強気のV字回復見通し/2027年3月期は純利益1兆1,000億円(前期比 +37.4%)という見通しを立てている。
予想の修正
今回は本決算(1年間の最終確定)のため、今年度予想の修正ではなく、来期の新しい予想の発表になる。
- 通期業績予想/純利益1兆1,000億円を目標とする次期見通しが新たに発表された。
- 配当予想/今期の年間配当は110円で着地。来期はそこから15円増配となる年間125円の予想。減配せずに配当を維持・増額していく「累進配当」の継続を基本方針として掲げている。
ポジティブ・サプライズ
- 来期の業績見通しが非常に強い/一過性の利益が剥落して8,004億円まで落ち込んだ純利益が、来期は一気に1.1兆円の大台へ回復するという力強い会社予想。市場から好感されやすい。
- 株主還元の強化/累進配当の方針どおり、年間配当を110円から125円へ大きく引き上げる予想を出しており、還元への強い意欲が確認できる。
ネガティブ・サプライズ
- 一部セグメントでの減損損失/マテリアルソリューション部門(サウジアラビアの石化事業、北米の樹脂建材事業)やモビリティ部門(自動車関連事業の持分法投資)などで減損損失が発生し、足を引っ張る要因になっている。
- 地政学リスクと資源価格への依存/原油、LNG、銅などの資源価格の変動率が高まっており、中東情勢などの外部環境によって今後の利益水準が大きくブレる懸念が残る。
※ 上は三菱商事の2026年3月期決算を題材に実行したときの回答例です。AIの回答は実行するタイミングや使用するAIによって変わります。数値は必ず決算短信の原本でご確認ください。
回答からわかること
決算が良いか悪いかは、数字より「修正」で決まる。上の例は純利益が15.8%の減益ですが、発表されたのは来期1兆1,000億円へのV字回復と、110円から125円への増配でした。過去の数字はすでに株価に織り込まれていて、市場が見ているのはこの先だからです。減益という見出しだけで判断すると、逆を踏みます。
ネガティブの欄が、次に見るべき場所を教えてくれる。上の例なら、石化や樹脂建材での減損と、資源価格の変動。つまり次の決算では、減損が続いていないか、資源市況がどう振れたかを確認すればいい、と分かります。見通しが強い決算ほど、この欄を読む価値があります。
配当予想の修正は、会社からのメッセージ。上の例は減益の年に増配を出しています。業績の上下にかかわらず配当を減らさないという方針を、数字で示した形です。プロンプトで名指しして聞いているのは、この欄が業績以上のことを語るからです。
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